戦評: 來山 泰明
雨続きで2試合流れ、今シーズン初めてのオープン戦となったこの日。
晴れた日にもかかわらず内野が水浸しで、グランド整備に時間を割かなくてはい
けないというハプニングから始まったこの試合は、実践不足を露呈するものとな
った。
先攻は南山大学。
初回。しっかり振ってくる南山打線に先発森谷が3安打を浴び、あっさり先制さ
れてしまう。
しかし、レフト渡邉が好返球で本塁で走者を刺し、何とか1点でしのぐ。
その裏、この冬にチームで30万スイングという目標を達成した名工打線に期待
したいところだったが、タイミングの合わないスイングが目立って三者凡退で攻
撃を終える。
2回、先頭を内野フライで切って取り、流れに乗って行きたいところだったが、
守備に乱れが出る。
サード、ライト、レフトに一つずつミスが出てしまい、被安打0ながら2点を追
加されてしまう。
ミスを取り返したい渡邉からの攻撃は、先頭が内野安打で出塁するが、三振とゲ
ッツーで結果的に3人で攻撃を終える。
とにかくバットを振り、打線の強化を目標に掲げてきた名工にとって、打線の沈
黙でもどかしい空気が覆う。
3回、3番から始まる南山大学の攻撃だったが、前の回と同様に打たせて取るピ
ッチングでわずか8球で森谷が抑え、その裏の名工の攻撃に期待が膨らむ。
先頭の田口、新山と連打が出た!名工野球部の誰もが期待する新山のバッティン
グだが、この冬で劇的に進化した。これからのさらなる活躍に期待だ。
その後1死満塁まで追いつめるが、この日2つ目のダブルプレーで無得点に終わ
る。
バットを積極的に降っていく姿勢は見られつものの、ここまではタイミングが合
っていない。
4回、この回から投手が茅野にスイッチ。
森谷との球速差も生かしてグイグイ押していきたいところだ。
しかし、先頭に四球を出してしまい、2死2塁のピンチからまたもやエラー絡み
で点を失ってしまった。
前の回のような形にもっていきたい3番吉田からの名工の攻撃だったが、5番稲
生の四球のみの出塁で終わってしまう。
5回、甘く入った球を完璧に打たれて先頭に3塁打を許すなど3連打を含む4安
打を浴びた茅野は2点を失う。
昨秋まで3部にいたチームには、甘く入った球はことごとく弾き返されてしまう。
その裏、名工はキャプテン狩野に今シーズン初安打が出るものの、後が続かず無
得点で攻撃終了。
6回、やっとエンジンがかかってきた茅野はこれまたわずか8球でフライアウト
3つに南山打線を抑えて流れ良く名工の攻撃が始まる。
ここでやっと名工打線がお目覚め・・・ともいかず、2つの四球を奪いチャンス
をつくるもののあと一本が出ない。
7回表、ファーストの失策で先頭を出してしまうが、丁寧なピッチングの茅野は
後続を3人連続の内野ゴロに切って取り、自称センスの塊の言葉通り修正能力の
高さを見せつける。
その裏、四球と内野安打から作った1死1、2塁のチャンス。
ここで1本とはいかなかったが、南山バッテリーのミスでほしかった1点を得る。
8回、マウンドには前本が上がる。
ブルペンでは調子が良かったらしく、期待が持てる。
先頭をサードのエラーで出塁させてしまい、内野安打2本で満塁のピンチを背負
うが、無失点で切り抜けてみせてこれからに向けてアピールする。
その裏の名工の攻撃は前の回の得点の勢いを生かしきれず三者凡退で終わる。
9回表、前本に代わってマウンドには來山が上がる。
前本と同様に必死のアピールが必要な立場だが2四球と長打で1点を失ってしま
う。
7点を追う最終回、名工の攻撃は相手投手の乱調に付け込んで2つの押出しで2
点を奪うが反撃はここまで。
結局3点を奪ったものの、タイムリーは0本という結果に終わった。
今後の打線の奮起に期待したいところだ。