戦評: 來山 泰明
遠征初日の和歌山大戦。実戦から遠ざかり、早朝7時に千種Gを出発。車での移動を4時間ほどした後の試合ということもあり、動きのキレに不安を抱えながらのプレーボール。先攻は名工大。先頭の狩野は自分のスイングをさせてもらえず三振。続く中山さんは2球目を捕らえて右中間へのツーベース。とにかく先取点を、と意気込む名工大ナインには絶好のチャンス。しかし、3番谷村さん、4番高柳さんが共に内野ゴロに倒れてチェンジ。名工大の先発投手は抜群の安定感を誇る本多さん。3番打者に粘られるものの、キッチリ三者凡退に抑えて打線の援護を待つ。2回表の名工大はいいところ無く三者凡退。その裏、先頭の和歌山大の主砲に左中間へツーベースを浴び、ピンチを迎えるが、ここは意地の見せ所。2死1,3塁から8番打者をライトフライに切って取る。この後、走者を許すものの、本多さんの粘りの投球や八木田さんの美技などで名工大はよく守り、8回の攻防までは両チームともお互いに0行進が続く。
和歌山大の二番手投手の2イニング目、8回表に大チャンスが訪れる。先頭で出塁した森川さんを1塁において、続く俊足狩野がバント。相手投手の1塁カバーが間に合わず内野安打になる。チャンスは広がり、第一打席で快打を放った中山さん。ここは手堅くバントだが、これも俊足が相手の焦りを誘う。1塁への送球が高くそれる間に森川さんがホームインして先制。畳み掛けたい名工大は3番谷村さんが三振。4番の高柳さんの打席でのワイルドピッチで、3塁に進んでいた中山さんが2点目のホームイン。さらに、高柳さんが四球を選んで満塁にするが、次打者の細井さんが内野ゴロに倒れてチェンジ。名工大は2点を先制する。
安定感抜群の本多さんは周りの期待を裏切ることなく7回まで無失点に抑えてお役御免。先制直後の8回からは田口さんがリリーフのマウンドに上がる。失策絡みで1点を返され、さらに同点のピンチだったが何とかリードを保ったまま切り抜ける。取られた点はすぐに取り返したい9回表の名工大の攻撃は、7回に巣守さんの代打から出場の6番小林さんから。センター前にきっちりはじき返して次の本多さんが犠打。突き放す大チャンスだったが捕手からの送球で2塁走者がタッチアウト。結局3人で攻撃が終わり、無得点。そして最小得点差でリードして迎えた9回裏の守備。何とか守りきりたい名工大は8回に続いてマウンドに田口さんを送り出す。投手が苦しいときは守備で盛り上げていきたいところ。結局四球で出した走者をライトへの犠牲フライで返されてしまい、同点。名工大の勝ちは消えてしまったが、最後の打者の打球をショート瀬戸口さんが華麗にさばいて2-2のままゲームセット。遠征初日の試合は引き分けに終わった。
試合全体を通して見ると、名工大に流れを引き寄せたいところで引き寄せきれなくてもどかしい感覚が全選手にあったのではないかと思います。本多さんが安定して試合を作れるので、援護の意味も含めて早めの得点で流れを相手に渡さないことが大切です。反省会で話が出ましたが、やはり2度の2塁走者の憤死がとても痛かったです。両方ともピックドオフの可能性が高いようですが、セーフティーリードを越えてしまわないような二次リードの取り方が大事だと思いました。普段の練習で走塁専用の時間を取ってない分、守備練習のときのランナーはもっと走塁に対して意識を高く持っておくべきだと思います。練習では打球判断がかなり悪いときが見受けられるのではないかと思います。決して俊足ではなくても意識一つでどんどん次の塁が狙えます。遠征最終日の京都工繊大戦での渡邉さんの積極的な走塁は見習おうと思いました。
また、この試合では、得点に結びつかなかったものの、本多さんが2つの犠打を決めて流れをつくりました。さらに狩野や中山さんのバントは得点につながり、試合に与える影響がとても大きかったです。走塁やバントは調子に左右されないので、練習で伸ばしていきましょう。僕はバントが特に苦手なので頑張って練習します!
リーグ戦まで3週間を切り、追い込みの時期に入っています。3部への昇格、さらにその上を目指すために、打撃や守備だけでなくバントや走塁など、細かいところの完成度も高めていきましょう。